愚痴口

■ 「文民統制」でミサイル防衛？

• ミサイル発射兆候で閣議　政府が運用案検討

　Web上のソースではこの程度の内容なのですが、地元地方紙に掲載された記事にはこんな内容が。

　MD関連の法改正は、十一月に大野功統防衛庁長官が検討を表明。防衛庁は(1)ミサイルが発射された場合、安保会議と閣議を省略して首相が防衛出動を発令して迎撃（2）領空侵犯への対処と同様に部隊指揮官にあらかじめ権限を委譲―の二案を中心に検討に着手した。

　ただ、発射から着弾まで極めて短時間であることから閣議を省略しても発射後に首相らが対処方針を検討するのは時間的に不可能」（防衛庁幹部）と判断。部隊指揮官への権限委譲については「迎撃した時点で交戦状態になる可能性があり、全判断を任せるのでは文民統制が確保できない」（同）との意見が大勢となった。

　このため両者の「中間案」といえる事前警告案が浮上。ミサイルへの燃料注入など発射の兆候が確認できた段階で安保会議、閣議を開いて警告を発し、その上で指揮官に発射権限を委譲すれば、迎撃の実効性と文民統制が両立出来ると判断した。

　ソースが共同通信なので、まずは飛ばしの可能性を疑ってしまう。で、事実だとするなら、一体何処から突っ込んで良いものやら……。

　とりあえず。迎撃した時点で交戦状態になる可能性って交戦する意志も無しにミサイル撃ってくるバカが何処に居ますか。その時点で立派に戦争仕掛けられているわけで、とっとと反撃するのが唯一の手段でしょうに。この期に及んで外交努力にでも尽力する積りだとすれば、実におめでたい話ですね。

　要は、問題の切り分けが出来ていない様な気が。警告を発する段階と実際の邀撃段階とを一緒くたにして良いのかと。上の内容に依ると「ミサイル発射の兆候を察知→情報は遅滞なく首相はじめ閣僚に伝達→これまた遅滞なく安保会議、閣議を開催」とここまで来て初めて警告、権限委譲が出来る事になり、このプロセスがどこかで途切れると途端に邀撃不可能に。時間的に間に合わなくてもアウト。それでは不備が有りすぎだろうと。

　そもそも実際の邀撃時点での対処を「領空侵犯への対処と同様」にするのが何故「文民統制」に関わってくるのかが分からない。兆候どころでなく今まさに日本へ向けて飛翔中のミサイルを撃ち落とすのに、何故政治判断が要るのかと。着弾するまでは正当防衛に当たらないとかそういう理屈なのか、それともアレだ、一発だけなら誤射かもしれないのか。そして日本国民は甘んじてミサイル攻撃を甘受せよと(*1)。阿呆か。

　MDが極めて政治的な代物なのはその通りですが、それにしてもやはり、まずは交戦規則を作れと。実際の邀撃時の権限くらい現場で良いだろうと。でなけりゃ軍事音痴ここに極まれり。やがて超法規的措置が大手を振って、ぐんくつの音が以下省略。