愚痴口

■ 第10回宮崎映画祭にて富野御大トークショー開催　その2

　と云う訳で昨日の続き。大分適当なので、間違い等ありましたら指摘キボンヌ。

　司会者から、まずは作品の背景、当時の事について問われて曰く。

• 基本的にはロボットの玩具を売るための作品だったが、それにもう少しだけ普通のSFとしての要素を入れたかった。
• 当時の事で覚えている事はただ一つ、周りから袋叩きに遭った。1年近くオンエアしたが、まずコロニーの事からして全く分って貰えなかった。
• 一般論的に「分らない」事は分るが、（作品世界についての）原理原則を理解すればあとは当たり前の事。それが大人には理解出来なかった。

　続いて、宇宙が舞台である事について問われて曰く。

• まず自分が作りたいと云う事があるが、それ以外にも外側からの条件、スポンサーの要求がある。そう云ったものを自分の内に受け容れて作った。
• 宇宙を舞台とする事は設定が分りづらく使いづらい所があるが、好きでない要素を取り入れる事を訓練としてやってみた。
• ホワイトベースも、あんなバカなものは実際には有り得ない。当時からイヤだったし、今でもそう。それを「らしく」する為にどうするか色々考えた。
• でも（ホワイトベースを）採用して良かった。もし、シャアの船（ムサイ？　コムサイ？　ザンジバル？）の様に宇宙船らしいもの（リアルなもの）を採用していたら、きっと絵的に詰らないものになっただろう。
• 連邦側の呼称「ホワイトベース」がジオン側には分らず、木馬みたいな形だからと云う事で「木馬」と呼ぶ。（ホワイトベース一つ取っても）この様に「作劇」が出来る。
• こう云う事は、作品を作る上での（条件等の）様々な要素から出てきた事。良い勉強になった。

　リアル云々に関連して、「トリコロールがイヤ」について問われて曰く。

• トリコロールは玩具屋の要求。これで作ってくれないと困る、と。
• スペースシャトルでも宇宙服でも、本物は全部白。伊達ではない。宇宙で見易いからでもない。白でなければ太陽光を効率良く反射出来ない。また常に回転して、一面だけ温度が上がる事を防いで、影の部分を冷やしている。
• 宇宙ものをリアルにやろうと思えば、白しかない！
• ジオン系の色なんかとんでもない。「大嫌い！　全部嘘！」
• でも作品を作る時は別。嘘の内容でも、それを取り込む事で造形を学ぶとか、色使いの訓練とかをする事が出来る。
• それを仕方なく受け容れるか？　それとも意識的に取り込むか？
• 全部自分勝手に作っても、皆さんに空かれる作品にはならない。

　今回上映した特別版は（TV版と？　劇場版と？）どう変わっているのか、と問われて曰く。

• 何処も直してはいない……というのも一つの言い方。
• TV版を一本の映画にしたもので、II、IIIと続く三部作のイントロ。
• TV版は一話一話に区切りがあるので、そこを一本にする為の繋ぎとしてのアレンジ、II、IIIに繋げる為の台詞の整理をし、また全体を総ざらいして組み直した。
• TV版から詰らなくなってる、と云う人も居れば、全話を纏めて短い時間で見る事が出来て便利、と云う人も居る。人によって違う。
• 最近のテレビ映画の見方に対応した。5.1ch対応など。

　ここで、劇場版3部作全て上映出来れば良かったんですが……という司会者の発言に反応して曰く。

• 私には、映画を立て続けに見る習慣はないのですが……続けて見る事はお勧めしない。
• 次を見たいと観客に思わせる事が出来るか、が勝負だと思う。「続けて見ろ！」とは言えない。それは観客に大して無礼。
• この事は、死ぬまで心がける。

　以降は観客からの質問コーナーへ。続きはまた明日。

■ GVが4年ぶりのバージョンアップ

• 【NEWS】画像ビューワー「GV」が4年ぶりにバージョンアップし再びGIF画像表示が可能に［窓の杜］
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　GIF表示機能も復活。長らく0.83Aを使ってきた儂としては、嬉しいなあ、とか。