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社会
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センター試験 英語の正解理科なら×
気象予報士森田さん指摘
十五日に行われた大学入試センター試験の英語で、実際にはあり得ない寒冷前線を描いた天気図=図=が「正解」とされていることが、天気キャスターで気象予報士の森田正光さんの指摘で分かった。同センターは「問題を作った先生の意見を聞いた上で、対応を決めたい」としている。
指摘されたのは、天気予報に関する英文を読んで六つの天気図から正しいものを選ぶ、第五問の設問C。町と湖の位置関係、天気などから5番の図を「正解」として選ばせる問題で、「寒冷前線の通過で天気が崩れて気温も下がる」との内容が英文で説明されている。
しかし、この寒冷前線は寒気が北東から南西に入る形で描かれており、森田さんによると「あり得ない天気図」。地球の自転に伴う「コリオリの力」(転向力)の影響で日本付近の天気図でも分かるように、北半球では寒気が北西から入る。
仮に出題の舞台が南半球だとしても、寒気は南極に近い南の方から入るはずで、この図では赤道に近い北側から寒気が入ることになり「やはり、あり得ない」という。
図だけでなく、英文自体も間違った天気図を前提に記述され、寒気が北東から南西へ押し寄せるという誤った説明となっている。森田さんは「学力は総合的なもののはずだが、センター試験では英語と理科で学問が分断されているのでは。気象を知っている受験生は迷って不利になったかもしれない」と指摘している。
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