BACKGROUND(作品世界解説)

 廉価版DVD第1巻解説書より、作品世界の解説。

公開:平成15年09月30日

BACKGROUND

 近未来。その地球の人類は、人口増と科学文明の発達のおかげで、環境汚染、食糧不足、それに、絶対的なエネルギー不足に悩まされていた。加えて、各地で頻繁に地震が起き始めて、断末魔の時代と思われていたが、その地震が、地球に希望をもたらした。地震のために、オーガニックプレート(*1)と呼ばれる有機体エナジーを溜め込んだものが現れたからだった。が、プレートは、地表に現れると、形を変え、人型のもの(アンチボディ)になった。それは、ブレンパワードかグランチャーと呼ばれるものになった。

 そのような時、決定的な大地震が起こり、深海で謎の物体が発見された。それは、前兆が百数十キロある人型の顔を持ち、オルファン(*2)(孤児)と呼ばれた。そのオルファンこそ、ブレンパワードとグランチャーのマザーだった。地球のオーガニック・エナジー(*3)を溜め込んだオルファンは、環境浄化とエネルギー供給をするシステムになるかと思えたが、オルファンには、オルファンそのものが望むように復活させようとする一団が、搭乗していた。リクレイマーと自称した一団である。

 ブレンパワードを手に入れたサバイバル艦ノヴィス・ノア(国連とアメリカが提携して建造した)は、オルファンを地球のために捕獲し利用しようとした。が、リクレイマーは、グランチャーでオルファンを守り、オルファンを新しい星に旅立たせようとした。地球独自の免疫抗体を取り込んだアンチボディがブレンパワードで、オルファンの原初の免疫に支配されているものがグランチャーであれば、アンチボディそのものも、生存競争の戦いをすることになったのだ。

 人類は、オルファンを生かすために生存競争をさせられてきたのか? そうではなく、今度は、オルファンの内部対立を利用して、オーガニック・エナジーを人類のために利用できるようになるのか? この戦いの中、地球と同じような暗い闇に囚われていた少年も、また闇を抜け出すための戦いを始めようとしていた。

 イサミ・ユウ。自分を捕らえ、縛っていた両親を滅ぼすという戦いに挑戦して、少年は、ひとりの少女に出会う。そして、負わされた宿命がいかに過酷で動かし難いものでも、愛し合うその力が、漆黒の闇を抜け出すパワーになると、少年は思い始める。

 ノヴィス・ノアのブレンパワードとオルファンのグランチャーを尖兵にした戦いを通じて、人類と少年は、光を灯すことができるのだろうか……?

(プレスシートより)

*1 オーガニック・プレート
アンチボディを生む(リバイバルする)金属のような円盤のこと。
*2 オルファン
太平洋の海溝に沈む巨大な遺跡と思われていた謎の物体。オーガニック・エナジーを利用する機能を持ち、地球から旅立ち、銀河旅行をする夢を見ている。
*3 オーガニック・エナジー
生命体の持つエナジーのこと。オルファンやアンチボディはこのエナジーを利用することで動いていると考えられている。

奥付